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国際協力で必要とされている人材とは
NGOのスタッフとして国際協力の場に関わっていると、様々な方から「ボランティアとしてベトナムに関わるにはどうしたらいいか」とか「困難な状況にある人々を支援したいが、どうしたら良いか」といった相談を受けることがあります。相談される方は皆さん、とても熱心でベトナムの人々に対する温かい気持ちを持っていらっしゃいます。私もできる限り、相談にのったり、ベトナムの皆さんに紹介したいと考えています。
ただ、ベトナムではボランティアを受け入れることは容易ではないことも確かです。まず、外国のNGOは然るべき機関に活動目的、スタッフ数、活動計画や予算を提出し、活動許可を得なければなりません。その枠の中でボランティアを受け入れることになります。
また、個人でボランティアをしたいと思っても、孤児院や農村に長期滞在することは容易ではありません。公安から「何の目的でベトナムに滞在しているのか」、「どの組織に所属しているのか」などと質問された時にきちんと答える必要があります。近隣の国では外国人が比較的、自由に農村にも入れるところもありますが、それに比べるとベトナムは対照的です。
一般的に、ベトナムで「何かをしたい」と思った場合、具体的なビジョンや方法を持っていることが求められます。特にNGOの活動やボランティアなどで「何か貢献したい」と思った場合には、やはり具体的に貢献できることは何かを示すことが必要です。
その理由として、外国人の入国/入域を制限していた(一部の地域は現在も制限されています)歴史を持つ国ですから、「どこどこの何々です」に始まり、「●●の理由でこの地域に来ており、□□の機関の人々と▲▲という活動/仕事をする予定です」と明確に答えることで、相手に安心してもらうことができ、信頼関係の構築につながります。
第二にベトナムの人々はフレンドリーなのですが、自分がこの人に関わることによって何を学べるのか、どんなプラスの影響があるのかを冷静に見極めている人が多いと思います。相手にとって、どういう点でプラスがあるのか、自分がどういう点で貢献できるのか、その部分を伝える、或いは見えるようにすることが長期的な関係を築く上で必要だと思います。
時々、大学生の皆さんから将来の進路などについて相談されることがあるのですが、私は「これだけは誰にも負けない、と言えるものを身につけることが大事では」と答えます。国際協力で本当に必要とされている人材とは、大学院で開発学を学ぶだけではなく、他国の人々から学ぶ姿勢を持ち、また、自分も彼らに貢献できる何かを持っている人材ではないでしょうか。そういう人々が他国の人々と信頼関係を築くことができ、良い仕事ができると思います。
私も貢献できる人材になるべく、日々努力しています、と言いたいところですが、なかなか・・・。国際協力の分野で働きたいと思っている方、一緒に頑張りましょう!
Posted: 2009年 8月 31日 カテゴリ: 未分類.
コメント: まだありません


