Archive for 2010年 5月 7日
ホアビン省でウンカの被害
昨日、ホアビン省タンラック郡で一緒に活動を実施しているケムさんから連絡を頂いたのですが、驚いたことに24村・町のうち、検査を行った16村で約45%の田んぼが深刻なウンカの被害を受けていたそうなのです。
実はこのウンカ、数年前からホアビン省でも深刻な被害が出始めています。植物防疫局の皆さんが定期的にチェックをしているのですが、どうやら、年々、ひどくなっているようです。ケムさんにもタンラック郡でウンカが広がっているのは、なぜか?と問い合わせているところですが、ホアビン省での原因究明と同時に周辺諸国も含めた広範囲にわたるウンカの動向調査が必要のようです。というのも、ウンカの被害は局地的な問題ではなく、中国や日本も含めて広範囲にわたっており、しかも、関連性が指摘されているからです。
先日、日本で農業普及に関わっていらっしゃる方とお話する機会があり、ウンカのお話を伺いました。日本のウンカはベトナム⇒中国あたりから飛んでくるそうで、2つの国でウンカの被害を防ぐために農薬がどんどん散布されていることから、ウンカが耐性を持ってしまい、日本で農家が農薬をまいても全く効き目がないとのことでした。また、興味深い点は、在来の稲が遺伝子的にウンカに強いことが研究結果として出ているそうです。
今後、最新の研究結果や技術、そして、在来種や地域の人々の知恵を併せて活用しながら、アジア地域全体でウンカの被害をどのように抑えていくのかを考えていく必要がありそうです。ウンカも生態系の中での役割がある訳ですから、大発生しないように生態系のバランスを戻すことが大事になってくるのでしょう。それにしても、在来種というのは、だてに何世代も生き延びていないですね。植物の生存戦略ってすごい!と改めて思いました。
Posted: 2010年 5月 7日 カテゴリ: 未分類.
コメント: まだありません


