Archive for 2009年 12月 6日
ベトナムで婚活?!
今回の出張では、やけに「日本で結婚したんでしょ?」と聞かれたり、「結婚がまだなら、来年早々にもしなさい」と言われます。
例えば、ホアビン省ナムソン村の村人達は挨拶代わりに「日本に戻って結婚式を挙げたって聞いたけど、いつ旦那さんを連れてくるの?」と私に聞きます。誰がそんな噂を流したんじゃい!と心の中で叫びながら「それは違います。まだ結婚していません」といちいち、答えなければなりません。村長のチュエンさんなどは「ナムソン村でもまゆの結婚をお祝いしないと。各集落も豚や米を提供してくれるから、盛大なお祝いになるよ」・・・だから、結婚してないってば!どうしてこういう話になったのか、さっぱり、わかりません。
また、先日、ワークショップを実施したホアビン省フーヴィン村では食事中に、こんな場面がありました。
村人:「ところで、まゆさんは結婚しているのですか?」
伊能:「いいえ、まだです」
村人:「へえ、まだですか。今、おいくつですか?」
伊能:「35歳です。」
村人一同:・・・・・・・・・・・・(一瞬、しーんとなり、誰もが箸を止めた)
村長のズンさん:「・・・そ、そうなの?まゆは26~27歳くらいだと思っていたけど・・・。」

しーん、の後、いやだなぁ、もう。
自慢でも何でもなく、むしろ歳相応に見られないことが恥ずかしいのですが、最近若く見られることが多く、初対面では私のことを20代半ばから後半くらいだと思う人が多いのです。特にフーヴィン村の村人は新しいパートナーなので、まだお互いのことについて、よく知りません。きっと彼らは、私がガイジンで20代半ばくらいだから結婚してなくても許容範囲だと思っていたところ、本当の歳を知り、驚きと信じられない気持ちと可哀相な気持ちが入り乱れ、その結果、しーーん となったのだと思います。いやはや・・・。
一方、ディックザオ村のルンさんとクアンさんは、私がまだ未婚であることが気の毒だと思うのか、しきりに見合い話を持ちかけてくれます。村に行くたびに、電話で仕事の話をするたびに「ところで・・・」と切り出される始末。おまけに、ハノイでお世話になっているBacたち(Bacは日本語では叔母・叔父にあたります)にも「うちの甥が独身だから、会ってみない?えっ?まだまだ早いって?そんな悠長なことは言ってられないよ。仕事?そんなのは結婚してから考えればいい。早く結婚して子供を生まないと」と、こちらも道端で会うたびに、こんなやり取りが繰り返されています。
ベトナムではこのように、何はともあれ、結婚して所帯を持ち、子どもを育てる。それが人間の生きる道である、人生とはそういうものである、というように考えられています。特に農村に住む人々や都会に住むBacたちの世代は、こうした考え方を大事にし、この考えに沿って物事を判断し、そして、人生の選択をしているのです。
しかし、今、ハノイやサイゴンなどの大都市では、若い世代が段々、結婚を躊躇するようになってきています。一番の理由は定職につけないなど、経済的な問題です。また、相手の家族との付き合いが面倒ということもあるようです。最近は親と離れて暮らすカップルが増えています。大家族のわずらわしさを避け、自由や便利さを求める流れは止まらないと思いますが、少し寂しいものを感じます。
偶然ですが、5日に日本の内閣府が行った男女共同参画に関する世論調査について報道されていました。結果は「結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はない」と考える人が42.8%で、過去最高だったそうです。また、「子どもを持つ必要はない」と答えた男性は38.7%であるのに対し、女性は46.4%だったそうです。
日本は2006年から人口が減り始めたと記憶しています。政策などを通じて出産を応援するための努力が続けられていますが、現実的には女性をめぐる労働環境や経済的な問題により、子供の割合を増やしていくことが難しいのではないかと思います。
一方、ベトナムは30歳以下の人口が全体の約7割を占め、人口も確実に増えています。若い世代の人口が多いのは戦争の影響ですが、人口が確実に増えているのは、結婚して子供を持つこと、何があっても家族が第一、という考え方がベトナム社会に浸透していること、そして、女性の労働条件が優遇されていることと関係があると思います。日本とベトナムは歴史的背景も文化も異なりますが、将来の日本を考える上で、ベトナムから学べることがあるのではないかと思います。
ところで、私の「婚活」。ベトナムで周囲の皆さんの温かい「おせっかい」によって成就する日が来るのでしょうか?!乞うご期待!
Posted: 2009年 12月 6日 カテゴリ: 未分類.
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