PGSについてのワークショップを開催
ホアビン省タンラック郡で実施している、有機農産物の品質向上と市場アクセスの改善を目的とした事業では、参加型保証制度(Participatory Gurantee System)を構築していく予定です。このPGSをベトナムで最初に取り入れ、試行錯誤を続けているADDAの皆さんにホアビン省タンラック郡に来て頂き、生産者グループや行政職員、レストランの店主に対してPGSの説明とベトナム国内での実施状況や課題などについて話して頂きました。
まず、PGSについてADDAが実施する有機農業プロジェクトのアドバイザーを務めているKoenさんに説明をして頂きました。Koenさんはベトナムで20年近く有機農業を推進し、PGSをベトナムに紹介した方でもあります。ベトナム国内で唯一、有機農業の専門家と言える方です。
PGSにおいては、まず、生産者は生産者グループを創り、有機農法を応用して農産物を生産します。複数の生産者グループの代表と流通業者、消費者、NGOなどによってインター・グループを創設します。インター・グループにおいて、生産者グループは互いに品質や生産環境などをチェックしたり、PGSによって有機農産物を生産している生産者グループに認証を与えるかを決定したり、マーケティングを行なったりします。このインター・グループが複数集まると、コーディネーション・グループが創設されます。
PGSは外部機関が行なう認証制度とは異なり、生産者や消費者、流通業者、レストラン店主など、食に関わる人々が意見を出し合い、透明で公正、安全な生産・流通体制を構築していくことが特徴です。食を作る人、運ぶ人、料理する人、食べる人、それぞれが当事者となって、誰にでもわかるシステムやルールを創っていきます。その際、当事者間の信頼関係をいかに構築していくか、がとても大切になります。
ADDAの有機農業プロジェクトを担当しているNhungさんがベトナムでのPGS導入の経緯や2つの地域で実践されている現状や課題について話してくださいました。やはり、当事者間の信頼関係を構築することは容易なことではないようでした。しかし、それでも果敢に試行錯誤を続ける村人が存在することをNhungさんが話してくださいました。
参加者からは「PGSについて最初に説明を聞いた時には難しいと思ったが、これからは安全な食べ物を作れば、多くの人に買ってもらえると思うので、頑張って取り組んでいきたい」と言った意見や、「私達にとってPGSは新しいシステムなので、きちんと理解できたかどうか不安が残る。でも、新しいことを学び、挑戦することで暮らしを良くしていきたい」などの意見が出されました。
道のりは険しく長いですが、少しずつ、タンラック郡の皆さんと歩みを進めていきたいと思います。KoenさんやNhungさん、ありがとうございました。これからもお世話になります!宜しくお願いします。
Posted: 2012年 4月 3日 カテゴリ: 未分類.