「もう」10年?「まだ」10年?
先日、十数年前にベトナムから母国へ戻った知人と再会する機会を得ました。仮にKさんとしましょう。欧米人で、以前、とあるNGOの代表をしており、日本のNGOの方から紹介して頂いたのです。彼女の溢れる知性、陽気でオープンな人柄、はっきりと意見を主張する真っ直ぐさ・・・特にNGOの会合で彼女が行っていた議論などは、大学を卒業したての私には刺激的で、とても印象に残っていました。
そのKさんが出張でハノイに来ていたのです。Kさんと仲良くしていた友人と一緒にごを食べる機会を得ました。東南アジアのある国での経験がさらに彼女の知性に磨きをかけ、深い洞察力と冷静で客観的な分析が、とても勉強になりました。そして、その国の人々に対する愛情、しっかりと向き合う姿勢にまたもや感銘を受けたのでした。知的な刺激を受けることが少ない?ベトナムにおいて、貴重な時間でした。
会話の中で、ベトナム語が堪能だった彼女がこう話していました。
「ハノイに久しぶりに来て様変わりしていることにとってもびっくりしたわ。高い建物もどんどんできて、物が溢れて、とても豊かになっているように見える。でも、タクシーのドライバーさんや物売りの人と話すと、歳はいくつ?から始まり、そのバッグはいくら?など、お決まりの文句が出てきたわ。10年経っても、やっぱり、あんまり変わってないわね。」
私ともう一人の友人はその話を聞いて大笑い。そうなんです、表面的には町も人々の格好もきれいになっていますが、内面的には・・・10年はまだ十分な時間とはいえないようです。もう10年も経ったのに・・・でも、まだ10年しか経ってないんですね。やっぱり、一世代かかりそうです。
Posted: 2010年 11月 22日 カテゴリ: 未分類.