ヴィエンチャンの変化
東南アジア諸国の中でも、この数年で大きな変化を遂げているインドシナ3カ国。ベトナムは自分が住んでいるため、どこか気持ちが緩んでいることもあり、町や人々の変化の速度について、ちゃんと注意していないと気が付かないこともあります。しかし、たまに行く国の目に見える変化というのは、とても新鮮に見えて、すぐにわかるものです。
先日、用事があってラオスの首都ヴィエンチャンに出かけてきました。実は今年初めにも、ほぼ1年ぶりに出かけたのですが、その時に車両が増えていて、とても驚いた記憶があります。町には新築のホテルがいくつも完成しており、よく宿泊していたホテルも2倍くらいの値段に跳ね上がっていたのです。それもそのはず、ラオスで東南アジアのスポーツ大会(SEAゲーム)が開催された直後で、バブルみたいな様相を呈していました。
しかし、今回は1月の訪問時からたった半年しか経っていないのに、出勤時間に車両の長い列ができていたり、在ヴィエンチャン外国人やツーリストが利用するような高めのカフェも大勢のラオスの方が利用していたり、と短期間なのに急速な変化が起こっていることに本当に驚きました。
余談ですが、ラオスに住む方に庶民的と中級の間にあるようなラオス料理屋さんに連れていって頂きました。そこでご馳走になった川魚を利用したラープの美味しかったこと!ラープといえば、豚肉がよく知られていますが、他に川魚もあったんですねー、知りませんでした。豊かなラオスの食に触れることができました。
でも、メコン川の水量が少なくなり、魚が取れなくなっていたり、豊かな森の恵みもだんだん減少していると聞きました。狩猟採取の比重が重いラオスの人々にとって、深刻な死活問題になっているのではないかと心配になりました。
理想は「全員が幸せ」な世の中かも知れませんが、世界の歴史において私が知る限り、そういう状態になった地域・民族は見当たりません。ある首相が言っていたみたいに「最小不幸社会」を目指すことが現実的なのかも知れません。
ラオスは少し前まで「最小不幸社会」だったのではないかと思います。人々は仏教の影響も受けながら、暮らしの基盤となる森や川の資源を上手に利用するために知恵を絞り、仲間と協力してきたのでしょう。それが今、急速に揺らいでいるようです。ラオスの人々は今の変化について、どう考えているのか。気になるところです。
Posted: 2010年 6月 25日 カテゴリ: 未分類.




