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新年に発表された政策などの変更を紹介します。
ちょっと遅れてしまいましたが、1月1日に変更になった政策とその影響などについて、少しずつご紹介していきます。
まず、飼料原料の輸入税が引き上げられ、食品価格が上がる、ということです。ニュースによれば、トウモロコシ、魚粉・肉骨粉、麦糠・麬がそれぞれ0%から5%に、小麦粉は10%から15%、魚油は5%から7%に引上げられるそうです。
食品価格の上昇は家計を圧迫することは言うまでもありません。また、ベトナムは大農業国ですから、飼料を購入している農家にも生産コストの上昇という負担がかかります。では、農家は生産コストの上昇分だけ、農産物が高く売れるでしょうか?市場の動向がある程度、反映されるとはいえ、一般的には生産コストの上昇分を上乗せした値段で農産物を売ることはできません。つまり、生産コストが上がることは、農家の利益が減少することを意味しているのです。
では、消費者は今までより少し高い値段で食品を購入できるのでしょうか?これも怪しいといわざるを得ません。理由は食品が店頭に並ぶまでにいくつもの流通業者が関わっているためです。1社が「ガソリンも上がったし・・・」などどして輸送費を高くすれば、これが他社にも連鎖して全体的にコストが高くなります。おまけに店頭では、オーナーのおばちゃん達が「近頃は野菜も値上がったし、ガソリン代も上がったからね」などと言って、全く交渉に応じてくれないのです。これも連鎖して、お隣の店も同じ値段になってしまいます。
ハノイで人々と世間話をすると、誰一人、こうした現象を快く思っていないのですが、一方で「ガソリンが上がると何でも物価は上がる。これは仕方ない」と諦めモードなのです。よくベトナムの人が「ベトナムの政府は貧乏だが、人々は裕福だよ」などと話してくれますが、物価の上昇にある程度、耐えられるのは、やはりベトナムの人々が裕福だからでしょうか?一方、農村の人々はもっと深刻です。物価の上昇によって生産コストが高くなり、村人を苦しめています。こうした流れの中で、村人がコストのかからない在来種や農法に高い関心を持ち、選択しています。
こうしてみると、当たり前のことですが、食品価格の上昇の影響を受ける人々の立場や生業の違いによって、生存戦略も異なっています。こうした状況の中で、生産者も消費者もハッピーになれる流通の仕組みを考えられないものか。引き続き、ベトナムの人々と話し合っています。
Posted: 2010年 2月 3日 カテゴリ: 未分類.
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