Seed to Table~ひと・しぜん・くらしつながる~

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一人ではなく、みんなで取り組むことの意味

現在、ホアビン省では有機農業技術研修を実施しています。各村で村人が作った生産者グループのメンバーが真剣に集中して研修を聴いています。

化学肥料や農薬が普通に大量に利用されている北部の平野部や南部のメコンデルタと異なり、山岳地域に位置するホアビン省の農村は有機農法によって野菜やコメを栽培したり、家畜を肥育することが条件的に容易です。しかし、昨今、経済的な余裕が出てきたこと、若者が出稼ぎ労働に出るようになったこと、などの状況の変化があいまって、村人が農薬や化学肥料を用いるようになり、課題となっています。

現状では、村によって差がありますが、野菜の栽培は、比較的、有機農法に切り替えやすいです。問題はコメと家畜の肥育です。コメは水源の問題、家畜は餌の問題です。昨日から地豚と地鶏の研修をしていますが、参加した生産者グループと豚や鶏に与える餌について、話し合っています。

ディックザオ村では、つい先日、青年団と会合を開催し、各集落から、ここ数年、急速に広まった除草剤と排泄物によって水源が汚染されている可能性があることが、懸念事項として報告されました。この状況に対し、青年団のメンバーと人民委員会主席のディンさんが具体的な改善方法について、私達に提案をしてくれました。

村の自然資源や生活環境を守り、暮らしを良くしていくためには、各世帯にきちんとしたトイレを設置したり、個々の世帯が除草剤をまかずにトウモロコシやキャッサバを植えていくことが必要になります。こうした課題は、1世帯が取り組むだけで解決できないため、集落や村全体で考え、実践していく必要があるね、と青年団や生産者グループのメンバーと確認しました。

道のりは長ーーーーいですが、一歩ずつ、進んでいくしかありません。先のことを考え過ぎると気が遠くなりますが、ディックザオ村の村人が、自分の実践する農法と、集落の暮らしや自然との繋がりを改めて意識し、グループで暮らしや環境の改善に取り組んでいくことの大切さを口にするようになり、行政組織の長が具体的なアイデアを提案してくれるようになったことに、私自身、大きな希望を抱き始めています。

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