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凍えるような寒さの中、「水」に関する研修を実施しました。

先日、極寒の中、株式会社INAXの職員の皆さんがホアビン省タンラック郡ナムソン村で「水」に関する研修を実施してくださいました。この研修にはナムソン村の小・中学生と青年団員、合計52名、フーヴィン村青年団の代表6名が参加しました。午前中は「水」が希少であること、水が汚染されることで起こる弊害などについて学びました。気温が10度に満たない寒い中、参加者は熱心に講義を聴いていました。 

午後はペットボトルを用いて、汚水の濾過装置を作りました。ペットボトルの中に小石・砂・土を入れて泥水を通すと・・・濁った水が透明になって出てきました。参加した子ども達は座学での説明で汚水が簡単な装置で濾過されることを知っていましたが、実際に頭と身体を使って実施してみて、即効で効果が表れることに改めて驚いたようです。

実験用の濾過装置を作成中。

興味深かった点は、子どものみならず、20代の青年団団員が真剣に、そして、一部は夢中になって取り組んでいたことです。お兄さん・お姉さんとして子ども達のお手本にならなければ、という意気込みがあったことと思いますが、学校教育ではこうした実験を行わないため、学んだことを実践してみることの楽しさに魅了されたのではないか、と思います。

濾過された透明な水が出てくるかな?

研修後に感想を聞いたところ、次のような声が寄せられました。「水の大切さ、水の循環、そして、水が自分の暮らしと健康に大きな影響を与えていることを学んだ」、「水の濾過装置を作り、汚水を濾過した実験はとてもわかりやすかった。自宅や集落でも応用したいと思った」、「今回のような研修を自分ももっと受けたいし、今回受けられなかった他の友達にも受けてもらいたい」、「今度は水だけではなく、大気や森、土についても学びたい」などです。

また、研修の翌日に行われたナムソン村青年団の活動報告では、パックテストを用いた水質検査の結果や「水」のゆくえを調べた結果について発表されました。INAXの皆さんからは、飲み水のみならず、灌漑用の水源も飲めるほどきれいなため、この質を保るよう努力して欲しい、毎月の検査ではなく半年に一度くらいの頻度でも十分ではないか、といった意見が出されました。この他、「水」のゆくえを調べた結果、汚水が流れている水田の稲が枯れていることなどが発見した点として挙げられていました。解決策として簡単な濾過装置を設置して汚染の度合いを軽減させたい、などが出されました。この結果を元に各集落で具体的な活動計画を立て、実践していく予定です。

「水」のゆくえを調べ、絵地図を作成。

ナムソン村での研修が行われる前日には、フーヴィン村を訪問し、青年団と村のリーダーと意見交換を行いました。フーヴィン村の青年団からは農薬の影響が水源や土に及んでいるのではないか、という懸念が出されました。INAXの皆さんからは、農薬を使っている地域と水源の位置関係を把握するために簡単な地図を作ること、利用している農薬のリストを作成すること、そして、水源の汚染の度合いを知る手立てとして水中の生きものを定期的に観察・記録していくこと、などが提案されました。フーヴィン村の青年団として検討した結果、旧正月明けより少しずつ実践していくことになりました。

少しづつですが、村の青年達が中心となって、村の環境を改善していく、或いは悪くならないように現状を維持するための活動へと繋がってきています。まずは自分の村のことをきちんと調べること。このことにじっくりと取り組んでいきたいと思います。INAXの皆さん、寒い中、どうもありがとうございました!

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