ベンチェ省での活動準備
先日、ベトナム南部のベンチェ省で貧困層を中心とした生活改善事業を実施するための準備会合を実施してきました。ベンチェ省との出会いはアヒル水稲同時作を通じてでしたが、何度も通っているうちに村人の暮らしが、この数年の間に急激に変化していることを知りました。
例えば、乾季に入ると生活用水が不足し、水を買わなければならない上、野菜栽培や家畜の肥育ができないことから、食料を購入する費用が年ごとにかさんでいます。特に貧困層がその影響を大きく受けており、貧困から脱した世帯も再度、貧困に陥ってしまったケースが見受けられました。
そこで、アヒル水稲同時作を中心に、自宅の周りなどを活用した野菜作り、家禽類の肥育、堆肥作りなどの持続的な農業技術研修を行い、貧困層の支出を減らし、食料自給の改善を目指した支援計画を立てています。長期的には貧困層だけではなく、村全体で環境に配慮しながら生活改善に取り組んでいけると良いと考えています。そのため、事業を実施する際に行政村や行政村を構成する各集落のリーダーの理解と協力が必要になります。今回は3つの村を再訪し、9月に実施した調査結果の報告と、その結果から考えられる支援のあり方について行政村のリーダーと協議を行ってきました。
印象的だったのは、各行政村のリーダーともに生活改善のための明確なビジョンを持っていたことです。どこまで自分たちで実施可能で、どこから支援が必要なのか、具体的な活動計画を話してくれました。そのため、協議が非常にスムーズに運びました。一方、ベンチェ省では北部各省に比べて海外からの支援が限られているため、各村の私達に対する期待も大きいと感じました。
海沿いに位置するビンダイ郡では海水が内陸まで入ってきているため、今後数年の間に、村人の暮らしはより厳しいものになると予想されます。なるべく早く予算を確保し、ベンチェ省での事業をスタートさせたいと考えています。時間との勝負です。
Posted: 2010年 11月 15日 カテゴリ: 未分類.