これからの外国企業の動向と国際協力(1)
ニュースでベトナムへの投資方針を生産拠点から輸出入販売へと転換している日本企業が増えていることが報じられていました。ここ数年のバブル経済によって地価・物価・人件費が上昇し、生産コストが上がっていました。さらに、先日、ベトナム政府は来年5月1日から国営企業従業員や公務員の最低賃金を約12%ほど引き上げることを決定したことから、じわじわと物価が上がっています。こうした状況から、生産拠点としての魅力は以前ほどではなくなってきています。
一方、WTOに加盟したことにより、投資環境も大きく変化しているようです。2009年10月1日より日越経済連携協定(VJEPA)が発効し、日本からの輸入品の多くが税率0%となります。また、ASEANと日本の間でも包括的経済連携協定(AJCEP)が結ばれており、輸入税が0-5%に引き下げられていることから、ASEAN地域に生産拠点を持つ日本企業としては、ベトナムへ製品を輸出するのに有利な環境が整ってきたわけです。さらに、流通・小売業への100%外資参入が認められたことも、生産から輸出入販売へという流れを加速する一因となっているようです。
ベトナムの大都市に住む人々の「平均」所得が今年中に2,500ドルから4,000ドルになると予想している人もいらっしゃいます。だから、市場としてとても魅力的であると・・・。でも、本当にそんなに高い収入を得られる人がたくさん存在するのでしょうか?
統計総局によると、8月の推定輸出額は昨年の8月に比べて21%も減少、一方、輸入額が15億ドルも上回っており、相変わらずの貿易赤字。観光客も去年に比べて18%ほど減少でホテルは閑古鳥が鳴いています。町に出ると「職がない」とぼやく若者、「モノが売れない」と嘆く屋台や小売店のおばちゃん達ばかり・・・どう考えても、しっかりとした経済活動が行われ、お金が回り、全体的に人々の所得を押し上げているとは思えないのですが・・・本当に高い収入を得ている人がいっぱい、いるのでしょうか?素朴な疑問です。
Posted: 2009年 9月 8日 カテゴリ: 未分類.


