Seed to Table~ひと・しぜん・くらしつながる~

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ていくぅひこう

このところ、天気のせいもあるのですが、ずっと低空飛行です。仕事が立て込んでいるというのもありますが、なんとなく気分が晴れません。思えば、毎年、この時期はこんな嫌な天気だったし、特段、変わったこともないはずなのですが・・・。

先日、地元学の師匠、吉本哲郎さんに再会した際、『オオカミの護符』という本を紹介頂きました。映画が先に製作されていたので、ご存知の方も多いかもしれません。ともかく、読み始めたら、筆者である小倉美恵子さんの文章にどんどん惹きこまれました。これまでに読んだ本の中でも稀にみる素晴らしい文章、表現力だと思いました。生まれ故郷を見る視点と掘り下げ方にとても刺激を受けました。

最近、読んだ本では、ジャレド・ダイアモンド氏の『Guns, Germs, and Steel』もとてもおもしろかったのですが(さらに英文も読みやすい!これを機に英語のブラッシュアップ)、『オオカミの護符』はご自分の生まれ育った地元の足元を取り上げているため、「普通に見える住宅地にも、そんな歴史や人々の営みがあったのか!」と目から鱗という感じです。ただ、同時に、言いようもない焦燥感と罪悪感にとらわれます。

というのも、急速に変化した日本の各地域のことを知る最後の世代の皆さんが、どんどん歳をとって、亡くなっていくからです。一人のお年寄りが亡くなるということは、同時に様々な暮らしの知恵が失われていくわけで、例えば、植物の植え方、活用の仕方、愛で方、食文化、道具の使い方、祭り、祈り、助け合い・・・地元の暮らしに関わるいろんなことが失われてしまうということです。

ベトナムに住んでいて何をいうか、と笑われてしまいそうですが、だからこそ焦ってしまいます。まあ、私一人が焦ったところで、仕方がないことはわかっているのですが・・・。今の日本社会とほんの少し前の日本社会は似ているようで、かなり異なっていること、変化の原因は何かを考え、少し前の日本社会から学ぶべきものがあることに気がつくこと、そして、これからの日本社会を考える糧にしていくことが大事だと思います。

そんなことを考えながら、今日もホアンキエム湖の周りをせっせと歩き、体力づくりをしています(すみません、変なオチで・・・)。

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