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地上50階であれこれ思ったこと

先日、新宿方面に出かけた際、地上50階に上りました。この眺め、すごいですね。ずーっと建物が続いています。毎日、こういう高いところで仕事をされている方は、どんな気分なんでしょう。

50階からの眺め

50階からの眺め

以前、ハノイには高い建物はほとんどありませんでした。昨今の経済成長によって、ビルが建設されていますが、30階くらいが最高峰だと思います。とにかく、職場が地上50階というのは、ありません。

しかし、改めて考えてみると、私が通っていたホアビン省の村は海抜が一番低い村でも500mほど、一番高い村では1,000mでした。そう思うと、結構、「高い」ところで仕事をしていたものだ、と思いました。そういえば、空気もちょっと薄かったような・・・。

ところで、私の知人のパートナーがオーストラリアの方なのですが、その方のご両親が東京にいらっしゃった際、東京タワーに上り、東京の風景を見た後に一言。「ところで、東京の郊外はどこから始まるのかな?」・・・その気持ち、とてもよくわかります。本当にどこまでも果てしなくビルが立ち並び、田んぼだの、畑だのがほとんど見えません。どこからどこまでが「都市」なのか、さっぱりわかりません。

ハノイの場合は、最近、市街地が拡大しているとはいえ、それでも町の中心から10kmも離れれば、水田が広がっています。ちょっと高いビルに登ると、水田が見渡せます。また、先日、訪問したイタリア・ピエモンテ州にあるモンドヴィという町も、城壁を出ると新しい住宅地が続きますが、5分も車で行くと農家の大きな家が見えてきます。そういう意味では、ここからここまでが「町」というのが明確になっています。

東京の今の姿を見て、昔の風情が失われてしまった、と嘆く人もいれば、高度成長の恩恵を受け、世界に類を見ない大都市になった、と誇りに思う人もいるでしょう。確かに負と正の面があると思います。私が気になるのは、ベトナムはこれからTokyoを目指すのかどうか、です。

そういえば、先日、ベトナムで新幹線が導入されるというニュースが伝えられました。しかし、現時点では、ベトナム側の「希望」が発表されただけで、日本と実施に向けた具体的な話はまだないようです。ベトナムの首都ハノイから南部のホーチミン市(旧サイゴン)まで1,600kmの距離があります。現在、統一鉄道は最速の列車で30時間かけて、2つの都市を結んでいます。因みに飛行機では1時間45分ほどです。飛行機みたいに、とは行かないまでも、政府の人々は現状の30時間から10時間くらいに短縮したいみたいです。

 でも、列車をスムーズに速く走らせるには、牛車や歩行者の線路横断をなくさないとダメです。そうすると、高架にしないといけない。莫大なお金がかかります。総工費は330億ドルと見込まれており、日本のODAが頼りにされているみたいです。日本の財布、大丈夫でしょうか?すんなり、日本政府がOKできるとも思えないですけど・・・それから、人も育てて設備を管理し、運営できるようにする必要があります。さらに、今は確かディーゼル列車を走らせていたと思いますが、新幹線は電力ですよね?慢性的な電力不足なのに、どこから引っ張ってくるのでしょうか?ソンラ・ダム?

素人の私がちょっと考えただけでも、実現が大変な計画だと思います。でも、ベトナム政府は何十年かけてでも、実施したいのだと思います。新幹線かどうかは別としても、高速鉄道の整備を。それが「進んだ国」の姿ですから。

「良い技術」は、人々を楽に、幸せに、楽しくさせるものだと思います。そして、エネルギーをたくさん消費しない、有害な物質を出さない、など環境にもやさしいものであると思います。そういう「良い技術」がもっと世界中で研究され、実用化されていけばいいなと常々、思います。

ベトナムなど「国造り」の真っ最中の国は、各国で研究され、実用化されている「良い技術」にもっと目を向けて欲しいと思います。そして、「良い技術」には、個々人が活用できる小さい規模のものがあることにも関心を抱いて欲しいと思います。先に「国造り」を経験している国々にはすでに、たくさんの「学び」があるわけですから。

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