新春早々、高校生とのトーク
以前、ハノイでお世話になっていた教育関係のKさんに声をかけて頂き、都内のアメリカン・スクールでベトナムについてお話をさせて頂きました。アメリカン・スクールでは、日本人の生徒さんもたくさん学んでいらっしゃるようで、今回もクラスの半分近くが日本人の生徒さんでした。それにしても、参加した高校生の皆さん、とっても日本語が上手で、また、ベトナムへの関心も高く、驚きました。
前回、横浜市の高校生と話をした時にも感じたことですが、「ベトナムと聞いてイメージするものは何ですか?」と問うと「フォー」や「バイクの波」といった食や暮らしに関する答えが大半で、「ベトナム戦争」と答える高校生は一人もおらず、改めて、長い月日が経っていることを実感しました。一方、「農業がさかん」と答えてくれた生徒さんもおり、ベトナムに対するイメージが、都市の喧騒やベトナム料理以外に、農業や農村など、多様化していることに嬉しくなりました。
さて、早速、生徒さん達にハイフォン市で撮影した一枚の写真を見てもらいました。ベトナムを代表する複合農業の一つ、VAC農法が実践されている農家の庭先を写したものですが、これを元に何かどう循環しているのか、生徒さんに考えてもらいました。Vは家庭菜園、Aは池、Cは家畜小屋を表しており、それぞれの単語の頭文字をとり、VAC農法といわれています。家畜の糞が魚の餌になったり、池の一部を覆うように竹を組んでかぼちゃやへちまを這わせて池の温度調整を行い、魚の憩いの場を設ける他、葉などは家畜の餌にもなります。1枚の写真から、さまざまな循環や農家の知恵がわかるのですが、生徒さんたちも積極的に考え、発言してくれました。
また、ホアビン省のムオン民族が実際に使っている蒸留酒つくりの道具の写真。これも、何を作るための道具なのか、聞いてみました。コーヒーをいれているのか、チーズを作っているのか・・・いろんな想像が出ましたが、お酒をつくるためのもの、と答えてくれた生徒さんもいました。
異文化理解とは、想像力を鍛えることから始まるものかも知れません。そして、相手の暮らしや文化を知ることで、より身近に感じられるようになり、もっと知りたいと思うようになり、より深い理解へと繋がっていくものではないかと思いました。
私個人は、対象別にベトナムについてわかりやすくニュートラルに伝えるためには、どんな内容や手法が良いのか、考え直す機会となりました。Kさん、貴重な機会をありがとうございました!
Posted: 2010年 1月 14日 カテゴリ: 未分類.


