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堆肥研修と在来の稲の復元についての交流会を開催
先日、ホアビン省タンラック郡フーヴィン村の村人から強い希望が出された堆肥研修を実施しました。フーヴィン村ではトウモロコシやサトウキビがたくさん植えられているため、それらの葉などを利用して堆肥をつくりたい、という村人の希望がありました。
というのも、フーヴィン村では化成肥料が多く使われており、かなりのコストがかかっています。以前から肥料のコストを削減するための良い方法はないかと相談を受けていました。また、7月にナムソン村で実施した水に関する研修に出席したフィーヴィン村の青年団員が水の汚れをチェックした経験を活動調整会合で共有し、農薬や化成肥料を大量に利用することで土や水が汚染されているのでは、と問題提起をしました。そこで、会合の参加者が水や土を守るにはどうしたらよいかと話し合い、まず土については、地域にある自然の素材を利用した堆肥を利用してみようということになりました。
堆肥作り研修へは多くの村人から参加したいという希望が出されたため、午前と午後に分けて研修を実施しました。講師はタンラック郡農業室のケムさんが引き受けてくれました。当初は100名が参加希望をしていましたが、田植えが長引いて参加できない世帯があったため、最終的には62名となりました。
研修は座学で植物が必要な栄養とは何か、土中の微生物の役割、堆肥と化成肥料の比較、堆肥の作り方について説明がなされた後、屋外で実習を行いました。参加したある女性は「こんなに簡単にできるなんて、今まで知らなかったわ。サトウキビの葉がなくても、畑や家の周りにある雑草で十分できるわね。早速、実践してみるわ」と話してくれました。次にフーヴィン村を訪ねるのが楽しみです。
次に、在来の稲の復元・記録事業の一環として、フーヴィン村トゥア集落のウオンさんの田んぼで経験交流会を開催しました。参加したのは各集落の代表、約20名です。在来の稲の復元では、良い籾を選定するために、幼苗一本植えを応用しています。幼苗一本植えは、播種後、10-14日の幼い苗を一本づつ植えていきます。通常は在来の稲については播種後1ヶ月の苗を5-7本づつ植えているため、幼苗一本植えの技術を在来種に応用することは、フーヴィン村の村人にとっては新しい経験でした。
ウオンさんの田んぼでは、7月後半に田植えを行いましたが、経験交流会を行った日には、稲が16-21本ほどに分けつしていました。同じ種類の稲で播種後1ヶ月経った苗を植えた田んぼでは、7本ほどにしか分けつしていませんでした。他の集落から参加した村人が、2つの田んぼを比較し、その違いにとても驚いていました。ケー集落から参加した村人は「これは良い結果を期待できそうだ。もし、幼苗一本植えの方が収穫がよければ、次季に僕の集落でも応用して、在来の稲を植えていきたい」と話していました。
また、女性達は幼苗一本植えの田んぼの方が1ヶ月の苗を植えている田んぼよりも、害虫(イッテンオオメイガの幼虫)の被害が多いと指摘しました。参加者は田植えの頃の気温が原因ではないか、幼苗だからではないか、他の田んぼよりも田植えの時期が早かったからではないか、など活発な意見交換を行いました。結論としては、評価をするには時期尚早なので、収穫まで経過を観察し、再度、交流会を行った後、幼苗一本植えについて最終的な評価を行おう、という意見でまとまりました。
後日のレポートをお楽しみに!
Posted: 2010年 8月 20日 カテゴリ: 未分類.
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