あまりハノイにいないせいか、ハノイのことを書く機会が少なかったのですが、今日はこの話題に触れない訳にはいかないでしょう。政府やハノイ市人民委員会が数年前から準備してきた、一大イベント、ハノイ1000年祭が開幕致しました！10月10日まで10日間の間、様々なイベントが開かれるそうです。

1000年祭とは現在のハノイの地にあったタンロンが開かれてから1000年を記念するものです。私自身、いろんな意味において、このイベント自体に興味がわかなかったのですが、市民の皆さんの話を聞いていて、また、変わりゆくハノイの町並みを見ていて、なかなかおもしろかったので、少しご紹介します。 

ハノイの街は数日前から写真のように国旗や旗や提灯などで飾られています。

ちょっとわかりずらいですけど、旗が見えますか？

とても華やかなのですが、この国旗掲揚をめぐって、各地区で市民と行政スタッフとの間で、いろんないざこざが起こったようです。例えば、ある地区では行政スタッフが各世帯に新しく国旗を購入するよう指示をしたそうですが、それに対してその地区の住民が「なぜ購入しなければならないのか」と反発したそうです。結局、国旗は行政から支給、国旗を掲げる棍棒は各世帯が購入することで落ち着いたそうです。それから、ある地区では国旗を夜間もそのまま掲揚していたら、地区中の国旗が一晩で盗まれたとか・・・大きな祭りゆえに様々な人間模様、事象が起こりますね・・・。

それから、ハノイ市内では道路や建物、記念塔、装飾用電気の準備など、ありとあらゆる場所で1000年祭を記念して何かが創られたり、建てられたり、飾られたりしています。そのうちの一つ、歩道に特設された花壇や大きな鉢があります。昨夜、トラックでハノイ市の環境科の人々が花を各ポイントに置いていました。

これは旗を飾っているところです。本当に混んでました。

しかし！今日の昼、ホアンキエム湖周辺で見たところ、写真のとおり、花の鉢を飾る鉄製のフレームだけが残され、お花は撤去されていました。お祭りの最中なのに何故、撤去されたのでしょう・・・私の推測では、そのまま置いておくと取られてしまう可能性があるからだと思います。この場所は開幕式の近くなので、午前中の開幕式が終わった直後に撤去されたのでしょう。大事な式典が終われば、お役御免、そして次の式典まで倉庫でお休み・・・ベトナム、いえ、ハノイらしい演出です。

飾り台だけでお花はどこへ？

 一つ困ったことは、交通渋滞が激しいことと交通規制がしかれていることです。昨日はまだお祭りが始まっていないというのに、道路は混雑し、移動に相当な時間がかかりました。それから、事務所がある旧市街では、多くのイベントが開催される予定であるため、交通規制がしかれています。私達のスタッフも通勤できるのか・・・心配です。トラックや他省からの車両はハノイ市内に入れないことになっているようです。確実にいえることは、この先10日間は極力、バイクやタクシーを使わないこと、ということです。

それから、もう一つ、個人的に悩ましいのは、夜な夜な行われるカラオケ大会と路上での若者たちの大声の雑談です。これもお祭り気分だから仕方ないのですが、10日間も続くかと思うと、ちょっとヘビーな感じがします。でも、少し前まではこうしたお祭りも無かった訳で、若者が青春を謳歌し、他の世代の皆さんが経済発展を謳歌していることは、時代が変わった一つの象徴であり、彼らにとっては嬉しいことなのでしょう。

皆が浮かれている最中、私は一人、せっせと徒歩で買い物に行き、10日間、何があっても大丈夫なように食料だけは蓄えました。本当に何があるかわかりませんからね（笑）。