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農家の「やってみよう」から生まれたアヒル農法
前回のブログで愚痴ってしまったため、多くの方から激励のメッセージを頂きました。ご心配をかけて申し訳ありません。ホアビン省の件は状況が落ち着き、来週から通常の活動を実施できることになりました。今回の経験から学び、新規事業の開始に向けて、関係者の皆さんも早くから動いてくれています。最後までこの調子で行ってくれると良いのですが、いつどんでん返しが起るかわかりません。気の抜けない日々です。
さて、気分を切り替えて、ベンチェ省の活動についてご報告します。現在、土地が少ない、或いは土地を持たない農家を対象に持続的農業を通じた生活改善事業を実施しています。1年目の活動がもうすぐ終了するため、今月から評価の準備を行っています。といっても、そんなに複雑なことはしておらず、それぞれの活動についてBeforeとAfterを比較し、農家の皆さんにどんな変化が起ったのかを調べています。
また、稲作の時期に合わせて、経験交流会を開催しています。今年は在来種の復元とアヒル農法に取り組んでいますが、今日はビンタン村でアヒル農法についての経験交流会で出会ったキムリーさんをご紹介します。
キムリーさんは旦那さんと8歳のお子さんと3人暮らしです。キムリーさんは10アール強の水田と家禽類の肥育などをし、旦那さんは日雇い労働に出ています。彼女は何と数年前からアヒルを田んぼに放していたそうです。誰に教わった訳でもなく、自分で考えてみて、やってみようと思ったそうです。その結果はどうでしたか?
「アヒルを放してみたら、意外なことに稲を食べなかったの。アヒルがウンカを食べてくれたので、農薬を撒かなくて済むようになったわ。それに、稲の成長が良くなって収量も上がったのよ。稲の収穫時にはアヒルの肉も得られるようになったし。とてもおもしろいと感じたわ。」
実はこうした農家は他の村にも存在します。キムリーさんのように、自分が置かれた状況の中で必死に試行錯誤を重ねながら、暮らしを良くしていこうとする農家の皆さんたちによって、様々な農法が生み出されているのだ、と改めて実感しました。彼らが必要としているのは、少しの資金と技術や市場についての情報、そして、普段から助け合っているご近所のネットワークを強化していくことです。私が協力できることは限られていますが、彼らと共に暮らしを良くしていくための、楽しい取り組みをしていきます。
Posted: 2011年 10月 15日 カテゴリ: 未分類.
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