Seed to Table~ひと・しぜん・くらしつながる~

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すくすくと育っています。

ホアビン省タンラック郡で取り組んでいる有機農産物の生産と市場へのアクセス改善ですが、有機農業研修が一段落し、各生産者グループが野菜の栽培、地豚・地鶏の肥育、魚の肥育に取り組んでいます。稲作は夏秋作より開始です。今回は各グループを訪問してきました。 

フーヴィン村ボー集落の地豚肥育グループのメンバー、ウオンさんが育てている地豚です。母豚と子豚が元気に囲いの中を走り回っていました。

 

ウオンさんと地豚たち

有機農法において家畜を肥育する場合、餌も当然、有機農産物である必要があります。ですから、お肉を有機農法で生産するというのはとてもハードルが高いことなのです。幸い、対象3村では、地豚の餌となるトウモロコシ、バナナの茎、コメ、サツマイモの葉などは、農薬や化学肥料を使わずに育てられていることが多いです。これまで農薬を撒いていたメンバーも研修で学んだ自家製の植物由来の薬を使って害虫の被害を抑えるなど、工夫を始めました。

 この地豚、現在も通常の豚肉より高く売られています。売り先があるなら、わざわざ有機農法にこだわらなくても良いのでは?と思うのですが、彼女たちが有機農法にこだわる理由は、地元で長い間、育ててきた豚を大切に守りながら、より高い収入を安定的に得るためです。地元にある植物を利用した病気予防にも取り組んでおり、効果が表れているとのことでした。

 ディックザオ村スン2集落では、野菜生産グループのズイさんの畑を訪問しました。空芯菜がちょうど旬を迎えています。この他、ラッキョウやカボチャ、香菜、ツルムラサキなど夏野菜が植えられていました。

 

ズイさんと他のメンバーが空芯菜を収穫しています。

ズイさんの畑は水田の真ん中に位置していますが、畑の脇に湧いている水源の水を利用しています。有機農法では、水源の水質にも規定があり、都会や工業地帯近くにある農村ではハードルが高くなります。対象3村は井戸水、山の湧水などを利用しており、この点もクリアできる集落が多いです。

 ズイさんのグループが作った野菜は、近くの市(いち)で売られていますが、有機農法に取り組んでいると知っている人々が安全だから、と買いに来て、あっという間に売り切れてしまうそうです。村内の食堂でも使われています。彼女たちも安定した収入を得、自分たちの健康と村の自然を守るために有機農法に取り組みたい、と話しています。

 町から遠い村、山の村・・・今でもこうした地域は農産物の販売には不利だと思われていますが、遠いから、山だからこそ、残っている自然の恵みを活かして、良い農産物を作ることができる。この強みを暮らしを豊かにしていくことに繋げ、村の人たちが自分の村に、自分が育てた野菜や豚にもっと誇りを感じられるようになったら、とても嬉しいです。ボチボチ、やっていきましょう。